くまのまえファミリークリニック 病院ブログ

胃カメラ・大腸カメラができるくまのまえファミリークリニックのブログです

手指衛生について

コロナ禍の今、感染予防には手洗いやアルコール消毒が重要だと皆さんもご存じかと思います。今回は手指衛生についてお話をします。

新型コロナウイルスの感染は、ウイルスを含む飛沫が口、鼻や眼などの粘膜に触れること、またはウイルスがついた手指で口、鼻や眼の粘膜に触れることで起こります。このため、飛沫を吸い込まないよう人との距離を確保したり、会話時には互いにマスクを着用します。手指についたウイルスは石鹸やハンドソープで洗って流水で洗い流すこと、アルコールで消毒することが大切です。

人は日常生活において、手指を活用する場面が数多くあります。微生物にとっても伝播のための便利な媒介物となり、代表的な微生物の感染経路の手助けをしてしまうのです。

前述しましたが、手指についたウイルスへの対策は手洗いとアルコール消毒です。

①手洗いの効果
手指についているウイルスの数は、流水による15秒の手洗いのみで100分の1に、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1万分の1に減らせます。手洗い後に更にアルコール消毒液を使用する必要はありません。
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サラヤハイジーンショップホームページより

②アルコール消毒の効果
手洗いがすぐにできない時はアルコール消毒液も有効です。アルコールはウイルスの膜を壊すことで無毒化します。濃度70%以上95%以下のエタノールを用いて、よくすりこみます。60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると報告があります。70%以上のエタノールが入手困難な場合には、60%台のエタノールを使用しても差し支えありません。
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サラヤハイジーンショップホームページより

冬にはインフルエンザも流行します。手指衛生やソーシャルディスタンス、マスクの着用ををしっかり行い、感染予防しましょう。

熊の前寿クラブで特別講話をさせて頂きました

熊の前寿クラブから講師としてお招きいただき、10月17日に特別講話をしました。テーマは『コロナ禍のインフルエンザ対策』です。

参加者のみなさんが熱心に傾聴してくださり、多くの質問も頂きました。

医師として地域啓発という仕事の重要性を再認識したとともに、伝えることの難しさも感じました。もっと理解しやすく、興味深いお話をみなさんに提供したいという思いが湧きました。

このような場を設けてくださった会長の森さんをはじめ、参加していただいた皆さんに深く感謝致します。またの機会がありましたら、より良い講話ができるよう、精一杯務めさせていただきますので、よろしくお願いします。
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チメロサールフリー

チメロサールフリーという言葉を聞いたことがありますか?今回はインフルエンザワクチンの中で、チメロサールフリーのワクチンについてお話します。

チメロサールはエチル水銀と呼ばれる有機水銀を含み、殺菌作用のある防腐剤のことです。複数回接種用のワクチンバイアル等で、古くから使われています。

1990年代に、エチル水銀の蓄積と自閉症との関連が議論されましたが、今は完全に否定されています。 また、現時点までアレルギーの報告もないため、予測できない副作用を懸念して使用を控えるよりも、使用するメリットの方が多いと言われています。アメリカ小児科学会やWHOはワクチンへのチメロサールの含有を容認しています。しかし、極微量とはいえ有機水銀を医薬品の中に添加するのは好ましくないという考えもあり、チメロサールを添加しないワクチンや減量したワクチンが増えています。近年ではチメロサールをワクチンの保存剤として添加しない方向にあります。また、欧米諸国では、チメロサールフリーのワクチン接種が行われています。日本で使用されている一般のインフルエンザワクチンは、少量ですがチメロサールが含まれています。

当院ではチメロサールフリーのワクチンも接種することができます。価格は上がりますが、希望される方は早めに予約してください。

異なるワクチン間の接種間隔が撤廃されます

従来は異なるワクチンを接種する場合、接種してから次のワクチンを接種するまでに、一定の間隔を空ける必要がありました。生ワクチンなら接種してから27日以上、不活化ワクチンなら接種してから6日以上の間隔を空けないと次のワクチンを接種することができませんでした。

この度、定期接種実施要領の改正に伴い、令和2年10月1日から、その制限が一部緩和されることになりました。今後は生ワクチンの注射間のみ接種してから27日以上空け、その他のワクチンについては制限がなくなりました。

ただし、あくまでも異なるワクチンを接種するときの接種間隔に限るため、同一ワクチンを複数回接種する際は、接種間隔の制限は従来通りとなります。

当院は地域のワクチン接種専門機関になれるよう、スタッフ全員が日々勉強しています。
VPD(Vaccine Preventable Diseases:ワクチンで防げる病気)は数多くあり、生後2ヶ月からワクチン接種が必要です。

接種希望や相談など、お気軽に当院へご連絡下さい。

『感謝と恩返し』

本日からインフルエンザ予防接種が始まりました。

先日、ある患者さんから質問を頂きました。「なぜ、くまのまえファミリークリニックではインフルエンザ予防接種の価格が安いのですか?輸入品とか使用していないか心配です。」当然の質問だと思いました。

当院では、インフルエンザ予防接種を希望される方が、手頃な料金で接種できるように価格を設定しています。経営的には、赤字にならないぎりぎりの価格です。
また、ワクチンは国から指定され、国内ほとんどの病院で採用されているものを使用しているため安心してください。接種した方にはワクチンに付属しているロット番号付きのシールをお渡ししています。
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当院では、来院して下さる患者さんへの感謝を忘れず、今後も"患者さん第一"に考えた医療を提供できるよう努力していきます。予防接種の低価格は、当院から患者さんへの恩返しと思っています。

多くの患者さんに接種していただけるようワクチンを確保していますが、混雑が予想されます。ご不便をおかけしますが、ご理解頂きますようお願いします。

もの忘れ検診

今回は令和2年1月から始まっている"もの忘れ検診"についてお話します。
もの忘れ検診を受けることで、認知症を早期に発見して適切な治療に繋げたり、予防のきっかけにすることができます。

対象は65歳以上で、名古屋市在住かつ名古屋市に住民票があり、認知症と診断を受けていない方になります。年度内に1回、無料で受けることができます。問診による簡易認知機能検査を行い、認知機能の低下が疑わしい方は精密検査が必要となります。

一般的に認知機能が低下する病気は、アルツハイマー認知症が知られていますが、他にもたくさんあります。診断結果により治療方法も変わるため、検診で認知機能低下を認めた場合は、精密検査を受けましょう。

もの忘れ検診を受けたい、ご家族に受けてもらいたいとお考えの方は、お気軽に当院へお越し下さい。お待ちしております。

世界アルツハイマーデー

9月21日は「世界アルツハイマーデー」です。1994年、国際アルツハイマー病協会が世界保健機関(WHO)と共同で制定し、この日を中心にアルツハイマー病の啓蒙活動をしています。また、9月を"世界アルツハイマー月間"と定めて、様々な行事や取り組みが行われています。

なぜ9月21日なのでしょうか?
1994年9月21日、スコットランドエジンバラで第10回国際アルツハイマー病協会国際会議が開催されました。会議の初日であるこの日を「世界アルツハイマーデー」と宣言し、アルツハイマー病等に関する認識を高め、世界の患者と家族に援助と希望をもたらす事を目的としました。また、9月21日を中心に、各地のランドマークや庁舎等がオレンジ色にライトアップされます。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、ライトアップがYouTubeで配信されるそうです。

●日時:2020/9/21(月・祝)18時40分~ https://youtu.be/Mpl33PM8dmY


当院で、もの忘れ検診を受けることができます。毎年、世界アルツハイマー月間にもの忘れ検診を受けてみませんか?
もの忘れ検診を受けてみたい、ご家族に受けてもらいたいとお考えの方は、お気軽に当院へお越し下さい。お待ちしております。