くまのまえファミリークリニック 病院ブログ

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胃ポリープ

胃ポリープとは正確には「胃に発生する上皮性、良性、隆起性病変」のことをいい、広義には腺腫、粘膜下腫瘍、がんなど胃の中に隆起した病変の総称です。今回は、胃ポリープの中でも一般診療で多くみられる胃底腺ポリープと過形成性ポリープについてお話します。

胃底腺ポリープは周囲の粘膜と同じような色調を呈し、大きさは数mmの小さなポリープです。胃体部(胃の真ん中付近)に複数みられることが多いです。ピロリ菌が陰性(ピロリ菌がいない)の胃に発生します。今後はピロリ菌陰性者の増加に伴って、診断する機会も多くなると思われます。また逆流性食道炎などでプロトンポンプ阻害薬(胃酸を抑える薬)を服用するとポリープが大きくなったり、数が増えたりするとの報告もあります。胃底腺ポリープから、がんの発生例も報告されていますが、その頻度は極めて低いため心配する必要はありません。

過形成性ポリープはほとんどが赤色で胃のあらゆる部位に発生します。大きさは大小様々で、単発の場合もあれば複数みられることもあります。ピロリ菌陽性(ピロリ菌に感染している)で萎縮性胃炎のある胃に発生します。ピロリ菌の除菌治療で、ポリープが縮小もしくは消失したとの報告もあります。過形成性ポリープは頻度こそ高くありませんが、がん化(がんの併存)することがありますので、年に1回程度の内視鏡検査が推奨されています。

大腸ポリープと違い、胃ポリープの治療は原則不要です。過形成性ポリープの中で、大きさが2cm以上で増大傾向のもの、がん化の可能性があるもの、出血し貧血の原因となるものが切除(ポリペクトミー)の適応と考えます。

健診のバリウム検査で、胃ポリープを指摘された方は、胃カメラでどちらのポリープなのか診断することをおすすめします。当院では、鼻からの検査や眠って行う(鎮静下)胃カメラが可能です。ご希望の方は当院へ連絡頂ければと思います。